急に腰に激痛が起きる急性腰痛またの名をぎっくり腰。身動きが取れなくなるほど重症なものから日常生活はできる比較的軽度のものまでさまざまです。今回はぎっくり腰になった時の対処法や動けるならやった方がいいストレッチなどを紹介していきます。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは別名「急性腰痛」
慢性腰痛は「はっきりした原因がない」「痛む箇所は範囲的」「半年以上続いている」のに対し急性腰痛は「はっきりした原因がある」「痛む箇所は局所的」「急に始まった」という特徴があります。

ぎっくり腰になるきっかけとしては「重いものを持ち上げた」「前に屈んだ」「屈んだ状態から体勢を変えた」「朝起き上がった時」などが多いタイミングですが、多くの場合、突然起きたのではなくその前段階があります。
まず背景として
- 股関節や胸郭の可動域低下
- 腹圧の低下(腹横筋の遅延収縮)
- 腰椎分節の軽度不安定性
といった“機能的な問題”が存在します。これらがあると、日常動作のたびに腰椎へ代償ストレスが集中します。その結果、
- 脊柱起立筋
- 多裂筋
- 胸腰筋膜ライン
に微細な疲労が蓄積していきます。そして最終的に、「前かがみになった」「持ち上げた」「起き上がった」といった何気ない一動作が引き金となり、炎症が起こります。
つまり、最後の動作は“原因”というより“きっかけ”であり、本当の原因はその前に続いていた機能低下と疲労の蓄積なのです。
また、ぎっくり腰(急性腰痛症)は、単なる「筋肉の痛み」ではなく
- 筋・筋膜の急性炎症
- 椎間関節のロック
- 仙腸関節の機能障害
- 防御的筋スパズム(多裂筋・脊柱起立筋など)
が複合して起きています。重要なのは「段階を見極めること」です。
【発症当日】やることはシンプル
当日は体操は行わず、冷却と安静が基本。
炎症ピークの可能性があるため、
- 冷やす
- 安静
- 痛みの出ない動作
これで炎症が落ち着くのを待ちます。
正しい冷やし方
- 氷をビニール袋に入れる
- 少量の水を入れる(密着させるため)
- 薄手のタオルやハンカチを1枚巻く
- 痛む部分に15分当てて冷やす
- 30〜60分あける
- 1日2〜5回繰り返す
※凍傷を避けるため、20分以上当て続けないことと、直接皮膚に当てないことが原則です。
※保冷剤でもOKですが、患部に密着させるには氷水がおすすめです。保冷剤の場合も必ず薄手のタオルを1枚巻きましょう。

痛みを出来るだけ減らす動作
ぎっくり腰が起きたら出来るだけ炎症を悪化させない動作を心がけます。
【寝る体勢】
- 横向き
- 両膝を軽く曲げる
- 股関節も軽く曲げる

これにより椎間板への圧が下がり、腰部の伸展ストレスも減少します。
【寝ているところからの起き上がり方】
- まず横向きになる
- 両膝を曲げる
- 手で床を押しながら体を起こす
- 足を下ろしてから立つ

腰をひねらないことが最重要です。
【立ち上がり方】
- 足を少し引く
- 体を前に倒す
- 太ももに手をついて押す
- 勢いで立たない

腰へのストレスをかけないようにするだけで悪化を防げます。
重症度別の対応
【軽度】なんとか動ける
- 歩ける
- 寝返りできる
- 前かがみが痛い
→ 冷却+痛くない範囲の軽い動き
【中等度】動くのが怖い
- 立ち上がりが激痛
- 寝返りがつらい
- 腰が伸ばせない
→ 安静優先+冷却
【重度】ほぼ動けない
- 立てない
- 歩けない
- 少し動くだけで激痛
→ 無理に動かさない
→ 医療機関受診を検討
※しびれや排尿障害がある場合は必ず受診してください
【2〜3日目以降】炎症が落ち着いてきたら
目安は、
- ズキズキ感が減る
- 安静時痛が軽くなる
- 寝返りが少し楽になる
ここから初めて体操を入れます。
片膝かかえ(呼吸でゆるめるストレッチ)
- 仰向けで膝を立てる
- 片膝を抱える
- 息を吐きながら5秒だけ軽く引き寄せる
- 吸いながら戻す
- 3〜5回で止める

目的はストレッチではなく防御反応をゆるめること。
※鋭い痛みが出る場合は中止
股関節 四の字ゆらし
- 仰向けで足を四の字に組む
- 引っ張らない
- 小さく揺らすだけ
- 10秒以内
炎症ピークを過ぎてから行います。

腰を直接伸ばすより、股関節から緩める方が安全なことが多いです。
回復期(数日後〜)
炎症が落ち着いたら、
- 太もも裏(ハムストリング)
- お尻
- 股関節周囲
を軽くストレッチしていきます。
なぜこの順番が大切なのか?
ぎっくり腰は
- 炎症
- 防御的緊張
- 可動制限
この順で進みます。
だから
- 当日 → 炎症コントロール
- 回復初期 → 緊張解除
- その後 → 可動域回復
この段階を守ることが最短ルートです。
コルセットは使ったほうがいい?
ぎっくり腰になると「コルセットは必要ですか?」とよく聞かれます。結論は、「急性期には有効。ただし一時的に使うもの。」です。
【コルセットの役割】
コルセットは
- 腰椎の過度な動きを抑える
- 低下している腹圧を補助する
- 痛みの出る方向への動きを制限する
働きがあります。
炎症が強い時期は、筋肉がうまく働かず不安定になっています。そのため、外から軽く支えてあげることで痛みを悪化させにくくなります。
【使うタイミング】
◼︎発症当日〜数日
- 動くと痛い
- 立ち上がりが不安
この時期は使ってOKです。
◼︎痛みが落ち着いてきたら
- 常時使用 → 必要な時だけに減らす
ずっと頼り続けると、腹筋群の回復が遅れることがあります。
【どんなタイプがいい?】
ぎっくり腰の急性期には
- 幅が広め
- しっかり固定できる
- マジックテープで締め具合を調整できる
タイプがおすすめです。
急性期用のしっかり支えるタイプと、回復期向けの軽めサポートタイプの両方があると安心です。
【急性期向けおすすめコルセット】
SueStar 腰サポーター
- 強力なY型支援
- 腰部により密着し、腰椎から骨盤にかけてしっかりと腰をサポート
- 背中を自然にまっすぐに保つための上向きの張力を提供
- 調整可能なダブルストラップ
- 長時間の使用に最適
【回復期の向けおすすめコルセット】
ザムスト(ZAMST) 腰サポーター最軽量タイプ
- 動きやすさと固定力を兼ね備えた腰サポーター
- 圧迫力の調節が簡単
- 通気性が高く蒸れにくい
- 簡単着脱

コルセットは“治す道具”ではなく、回復を助けるサポーター。最終的には、ご自身の腹圧と体幹筋で支えられる状態を目指します。
腰を守るための腹圧の正しいかけ方はこちら↓
まとめ
ぎっくり腰は
- 当日は体操しない
- 冷やして安静
- 正しい動き方を守る
- 炎症が落ち着いてからゆるめる
焦らないことが一番の近道です。



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