慢性的な腰痛は不良姿勢による疲労の蓄積が主な原因です。その中でも骨盤周辺で痛みを感じている方はとても多いですね。
なぜ骨盤周辺に痛みを感じやすいのでしょうか?その原因と改善するための体操について書いていきます。
腰のトリガーポイント
慢性的な腰痛は筋肉や筋膜などへの継続的なストレスによって引き起こされることがほとんど。
同じ姿勢、同じ体勢を長時間または長期間継続することによってストレスが蓄積されていきます。不良姿勢が加わると更に筋肉や筋膜へストレスが大きくなり慢性的な痛みとなってしまいます。
私たちの体には構造上ストレスが集中しやすい箇所がいくつかあり、それをトリガーポイントといいます。
骨盤周辺も実はトリガーポイントがとても多く存在する部分です。主に骨盤の中心にある仙骨周辺と、左右の骨盤の腸骨稜周辺。ここにトリガーポイントは集中しています。
仙骨辺りと腸骨稜周辺のトリガーポイントに分けてそれぞれ痛みが起きやすい理由と改善・予防について解説していきますね。
仙骨周辺のトリガーポイント
骨盤は1つの骨ではなく、左右の腸骨・仙骨・坐骨・尾骨と分かれています。
腸骨に挟まれる三角の骨を仙骨と言い、仙骨と腸骨からなる関節を仙腸関節といいます。
普通関節は筋肉がまたいでいて関節を動かしたり安定させる役割があるのですが、仙腸関節は特殊な構造で筋肉はまたいでいません。
大きな動きはせず、前後の仙腸靭帯などたくさんの強靭な靭帯で関節を安定させながら数ミリの動きで上半身と下半身のバランスをコントロールしています。
上半身からの荷重、下半身からは地面からくる衝撃、一気に加わる圧力を吸収分散しているのです。
見ての通り関節が縦(矢状面)になっているので、仙腸関節にはとても大きなストレスがかかります。同時に守っている靭帯にも大きなストレスがかかります。
仙腸関節に歪みがあったり動きが硬くなっているとストレスがうまく吸収・分散できずに仙腸関節やその周辺の靭帯にストレスが集中します。これが仙骨周辺のトリガーポイントです。
仙腸関節のストレスを緩和する
仙腸関節は座っても立っても常に上下からの圧力がかかり続ける関節です。片足体重、重心の偏り、足を組む など体の重心点がずれると仙腸関節には捻れたストレスがかかりますし、骨盤が歪んでいても圧力に左右差が生じてしまいます。
両足でしっかり立つ、座位では坐骨を均等に着地させる。など生活で少しずつ意識をして均等に圧力がかかるようにしていくことが大切です。また、骨盤の歪み改善も効果的です。
自宅での骨盤の歪みリセット体操を紹介しますので1日の終わりに毎日続けてみてくださいね。
骨盤の歪みリセット体操①
仙腸関節を揺らしてズレを改善する体操です。
- 仰向けで膝をたて、足を腰幅より広めにあけます。
- リラックスしたまま左右に足を揺らしましょう。
骨盤の歪みリセット体操②
緊張した骨盤をリラックスさせて関節、筋肉の歪みをリセットします。
- 軽く足を開いて立ち、手は骨盤あたりに当てましょう。
- まずは体全体大きくぐるぐる回します。(逆回りもしましょう)
- 次におへそを中心に骨盤だけを回します。リラックスしながら滑らかに動かすのがポイントです。
歪みのリセットはリラックス&揺らすがポイント。簡単にできる体操なのでリラックスしながら、取り入れてみてくださいね。
腸骨稜周辺のトリガーポイント
骨盤の上の方の骨は腸骨稜といいます。お尻の上部で触れられる骨です。
ここは上半身の筋肉の付着部でもあり、下半身の筋肉の付着部でもあります。
筋肉の付着部ではありますが、腸骨稜上を筋肉はまたいでいません。
上半身の筋肉の拘縮があれば上に引っ張られるし下半身の筋肉の拘縮があれば下に引っ張られます。そして体の歪みがあれば左右非対称に牽引がかかりストレスがかかります。
上半身のストレスと下半身のストレスが集中する部分なんです。
また、筋肉はまたいでいませんが筋膜は腸骨稜を覆っています。上下のストレスにより筋膜にもストレスがかかり痛みの原因になります。
腸骨稜周辺のストレスを緩和する
上半身からのストレスと下半身からのストレスは背中と臀部からきていることが殆ど。
デスクワークなど長時間の座位は背中も臀部も血流が悪く拘縮しやすくなりますし、座る体勢が骨盤後傾だったりすると更に腰部にストレスがかかります。
座る時には坐骨で座る。長時間同じ体勢でいる時は15分〜30分に1度は立ち上がって軽く腰を動かすなど心がけると背中や臀部の拘縮が防げます。
1日の中でこまめに腰を動かし、1日の中で1回くらいは背中と臀部のストレッチでしっかりと弛めてあげましょう。
背中のストレッチ体操
- 手を前に出しお尻を上げます。
- お尻をかかとに近づけ、背中が伸ばされている感覚を感じたら脱力したまま体を揺らします。(だいたい60秒くらい)
※背中は反らすとねこ背改善にもなりますよ!ですが無理に反らさず背中が伸びている感じがすればOKです。
臀部のストレッチ体操
- 膝を立て、片足を反対側の太ももに乗せます。
- 乗せられた方の足(膝を立ててる方)の太ももの裏で手を組み息を吐きながらゆっくり自分の方へ引き寄せます。(写真の様に)
- 気持ちいいところまで引き寄せたらそのまま軽く揺らしましょう。(揺らすことで筋肉が緩みます)
※ひっかけている方の臀部がストレッチされます。どちらもリラックスして脱力したまま動かしてあげるのがポイントです!
まとめ
腰痛は肩こりと並んで訴えの多い箇所です。腰痛にはレントゲンで分かるような原因のはっきりしたものから原因のはっきりしない腰痛があります。
今回お話したような筋肉性の痛みはレントゲンでは分からず原因もはっきりと分かりません。ですが生活習慣の見直しで改善するケースも多いので意識してケアをしていくことがとても大切なのです。
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