ランニングで痛みが出る前の、出た後も!故障予防のトレーニング

不調改善&メンテナンス

運動不足解消のため、ここ最近はランニング人口がとても増えました。合わせてランニングでの故障も増え、よりよいランニングのために体コンディショニングをしてパフォーマンスアップを目指す方も増えたのではないでしょうか。

今回はそんな方のためにランニングでの故障ケガ予防、そしてパフォーマンスアップのためのトレーニングを紹介します。

主なランニングでの故障・トラブルは!?

ここではランニングで起こりがちなトラブルを紹介します。いつも張る、疲れが残る、硬いなど気になる箇所は故障しやすい部分でもあります。事前に備えておくと良いでしょう。

シンスプリント(すね内側の痛み)

シンスプリントは脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれていて、脛骨に付いている骨膜が疲労により炎症を起こす症状です。

長期間に渡り負担をかけ続けたオーバーユースが原因ですが、ランニングフォームの崩れで負担がかかりやすくなっていたり筋力不足や筋肉の柔軟性が低下していることも原因のひとつです。扁平足や回内足の方がなりやすいとも言われています。

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鵞足炎(膝内側の痛み)

太腿の3つの筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)の腱がすねの骨に付着している箇所を鵞足といいます。鵞足炎はここが炎症を起こしている症状です。

オーバーユースによって、この腱と骨との摩擦部分に炎症が起こることが原因ですが、3つの筋肉が疲労し柔軟性が低下していることにより発生リスクが高まります。また、膝が内側へ入るように走っていたり、もともとX脚の方は骨の摩擦が強くなるので鵞足炎になりやすい傾向にあります。

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腸脛靭帯炎(膝外側の痛み)

腸脛靭帯炎はランナー膝とも呼ばれていてランニングによる膝障害の代表的な症状です。

太腿の外側にある腸脛靭帯が走ることにより繰り返し大腿骨の外側(大腿骨外側上顆)と擦れて炎症を起こします。これもオーバーユースが原因ですが、腸脛靭帯の柔軟性低下も要因のひとつです。O脚や回内足の方もここが擦れやすくなるので発症リスクが高まります。

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足底腱膜炎(踵〜足裏の痛み)

足底腱膜は踵から足の指の付け根にかけて広がる腱状の膜。足裏の縦アーチを支えて走る時の衝撃を吸収する役割があります。

この腱膜がランニングで繰り返し引き伸ばされることで踵や土踏まずなど腱膜に炎症が起こります。

足裏の筋肉の低下や柔軟性の低下、ふくらはぎやアキレス腱の柔軟性の低下では炎症リスクが高まります。

また、扁平足やハイアーチなど足裏のアライメントが崩れている方も腱膜に負担がかかりやすくなります。

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アキレス腱炎(踵の痛み)

アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋というふくらはぎの筋肉の腱が重なって踵へ付着している強靭な腱です。負担をかけた走り方でランニングを続けていると踵部分で炎症が起こり痛みが発症します。

ふくらはぎの柔軟性の低下や、扁平足、走る時に体を捻る癖のある人などはアキレス腱に負担がかかりやすくなります。

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その他

この他にも、膝窩筋腱炎(膝裏の痛み)や疲労骨折、捻挫、肉離れなどランニングによる故障はさまざまです。

いずれにせよ、原因は「筋力不足」「柔軟性の低下」「バランスの悪さ」になります。

ランニングでのケガの予防やパフォーマンス向上のためにはこれらを考慮した体のメンテナンスが必要になります!

ランニングのパフォーマンス向上トレーニング

ランニングにまず第一に脚の筋力や柔軟性が必要です。パワーを発揮しつつ怪我を予防するためには下肢の筋力だけでなく柔軟性や筋力バランスが大切になってきます。更にランニングフォームの安定や横ぶれ防止、下肢への負担を必要最低限にし長時間フォームを崩さず走り続けていくためには体幹などの上半身の筋力やバランスも大切です。

ランニングは長時間走り続けていくのですから、ちょっとしたバランスの崩れがケガにつながりますし、出来るだけ効率よく省エネで走れるようなフォームや持久力が必要です。

下肢トレーニング・ランジ&スクワット3種

ランニングにはスクワットやランジなど下肢メインのトレーニングが欠かせません。特に今回紹介する3種目はランニングで重要となる”地面からの衝撃に対応する力”をつけるために最適。まさにランニングのためのトレーニングです。

ジャンピングスクワット

  1. 足は腰幅に開き、膝を90°に曲げて腰を落とします。(スクワットの基本ポーズ)
  2. そこからつま先で地面を押し上げるようにジャンプし、着地。スクワットのポーズに戻ります。

15〜20回程度または疲れるまで繰り返し、これを2〜3セット行います。

《チェックポイント!》

  • 背中は丸くなっていないか?
  • 膝を曲げすぎたり前に出過ぎていないか?
  • つま先をしっかり使えているか?

下肢の強化+地面からの衝撃に耐えられる足底のトレーニング。瞬発力アップや持久力アップにも最適です。

フロントランジツイスト

  1. 足は自然な幅(腰幅程度)に開き、両手は頭の後ろで組み胸を開きます。
  2. そこから右足を大きく一歩前へ踏み出し、それと同時に上半身を右側へ捻ります。
  3. 体を正面に戻しつつ足も元の位置に戻します。
  4. 左も同じように行います。

これを20〜30回もしくは疲れるまでを1セットとして2〜3セット行います。

《チェックポイント!》

  • 体がブレていないか?
  • 膝が内側に入っていないか?
  • つま先と膝の向きは同じか?
  • 左右で動き方の違いがないか?

ランニングは片足走行です。地面からの衝撃に対応しつつツイストすることで不安定感を作りブレない体幹作りに役立ちます。スムーズな腕振りに役立つ腹斜筋や背筋のトレーニングにもなります。

ランジジャンプ

  1. 足を前後に開きランジのフォームを作ります。
  2. そこからジャンプし左右の足を前後に入れ替えます。

これを2〜30回または疲れるまでを1セットとして2〜3セット行います。

《チェックポイント!》

  • 体がブレていないか?
  • 膝が内側に入っていないか?
  • つま先と膝の向きは同じか?
  • 左右で動き方の違いがないか?

ランニングは片足ずつジャンプを繰り返す運動です。歩く時よりも地面からの衝撃が強くなるので筋肉や腱の弾性(柔軟かつ強いバネのようなエネルギー)が必要になってきます。トレーニングにジャンプ要素を取り入れることはランナーにとってとても重要になります。

体幹トレーニング・プランク3種

安定したフォームで走り続けるには体幹が必要です。体幹トレーニングはたくさんありますが、手足をバランスよく使いあらゆるコースの変化に対応していくために不安定感のあるこちらのトレーニングがおすすめ。どれも強度が高いものになるので体幹をしっかり強化できます。

基本のプランクのフォームはこちら。反り腰にならず、お尻も上げすぎず。体幹を固めます。

片足上げプランク

  1. プランクの姿勢から、片足を交互に上げていきます。
  2. 30回を1セットとして、2〜3セット行いましょう。

《チェックポイント!》

  • 体がブレていないか?
  • 反り腰になっていないか?
  • お尻が山のようになっていないか?
  • 足は左右同じように上げられるか?

スパイダープランク

  1. プランクの姿勢のまま、片足ずつ横に引き寄せます。
  2. 30回を1セットとして、2〜3セット行いましょう。

《チェックポイント!》

  • 体がブレていないか?
  • 反り腰になっていないか?
  • 引き寄せる時にお尻が山のようになっていないか?
  • 足はしっかり最後まで脇に引き寄せられているか?

片手片足プランク

  1. プランクの姿勢をとり、そこから「片足上げプランク」のように左足を上げ、更に右手を水平に伸ばします。
  2. その状態で20〜30秒キープ。
  3. 手足を左右交代して同じように行いましょう。

これを1セットとして、1〜2セット行います。

《チェックポイント!》

  • 体がブレていないか?
  • 反り腰になっていないか?
  • お尻が山のようになっていないか?
  • 腕は水平に伸ばせているか?

股関節ストレッチ

スムーズな足運びのためには股関節周りの筋力や柔軟性、そしてバランスが重要!走り方の癖で筋肉バランスが崩れやすい箇所でもあるので、しっかりほぐしましょう。股関節が固くなったまま走り出すとケガの原因にも。

四股踏みストレッチ

  1. 足を開いて腰を深く落とし、腕で足をロックします。
  2. 足を押し広げながら20〜30秒キープしましょう。

これを1セットとして2〜3セット行います。

まとめ

ランニングはとても良い運動ですが、ウォーキングなどより体への負担も大きくなります。体のメンテナンスをしながらトラブルなく長く続けていきたいですね!

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