腸腰筋は背骨から股関節に繋がっている大きな筋肉です。体を支えるための重要な筋肉で、柔軟性が失われると腰や股関節の痛みの原因にもなります。現代の生活習慣は腸腰筋の柔軟性が失われやすく知らず知らずに硬くなってしまっている人がとても増えています。
腰痛や股関節痛のある人は腸腰筋の影響を受けている可能性大。ストレッチやトレーニングでメンテナンスをしていくことをおすすめします。
腸腰筋とは!?
腸腰筋とは大腰筋と腸骨筋を合わせた呼び名です。大腰筋は腰椎の内側から、腸骨筋は骨盤(腸骨)の内側から付いて1つになり大腿骨に付着しています。ささみのような太くしっかりとした筋肉で骨盤の前側を支えています。
腸腰筋の働きは腰椎と骨盤を安定させ姿勢を保持することと、股関節の屈曲や安定です。筋肉の作用としては股関節の屈曲で足を前に出したり腿を持ち上げたりなどの動きで使われますが、それ以外の動きでも股関節を安定させてスムーズに動かせるようサポートしています。
腸腰筋が硬くなる理由
腸腰筋は歩くことで伸びたり縮んだりを繰り返し柔軟性を保ちます。ですので歩くことが少なくなると柔軟性が失われてしまいがちです。
車や電車の普及で歩くことが減った現代では座っている時間が長くなりました。更にはデスクワークが増え、日中のほとんどを座って過ごすなんて人も多いのではないでしょうか。
座る姿勢というのは、腸腰筋が縮んだ状態です。座る時間が長くなると縮んだ状態で血行不良が起き筋組織の劣化が起こります。劣化した筋肉は癒着し縮んだ状態で柔軟性が失われてしまうのです。
《腸腰筋が硬くなる生活はこれ!》
- デスクワーク
- 車の運転
- 座っていることが多い
腸腰筋が硬くなるとどうなる?
では、腸腰筋が硬くなるとどんなことが起こるのでしょうか?先ほど書いたように腸腰筋は姿勢の保持や脚を上げる、歩く、走るなどで使います。ですので、硬くなるとそれらの行動に支障がでます。
腸腰筋は腰から大腿骨まであり股関節をまたいでいます。良い姿勢で立つには股関節を伸ばし骨盤を起こし腰椎も立たせなければいけません。腸腰筋が縮んだ状態で伸びにくくなっていると「腰椎が引っ張られる」「骨盤が起こせない」「股関節が伸ばせない」ということになります。
結果、腸腰筋が硬くなっていることで腰痛、反り腰、膝曲がりが起こります。
更には歩く動作では、腸腰筋が伸ばされ遠心性収縮(伸ばされる力に反発して縮めようとする力)が起こります。その力で脚が前に振り出され、股関節を屈曲して前方へ脚を出します。これが歩く時の一歩。
腸腰筋の伸縮性が失われることで、遠心性収縮で脚を前に振り出す力が弱くなり歩幅が狭くなり、しいては何もないところでつまづきやすくなります。また、伸縮性を失っている状態で何度も伸ばされることで股関節の痛みが出てきたり、立位と同じように腰が痛くなったりもします。
《腸腰筋が硬いと起こること》
- 何もないところでつまづきやすい
- しゃがみにくい
- 歩幅がせまい
- 仰向けで寝ると腰が痛む
- 歩くと腰や股関節が痛む
- 立ち姿勢で腰が痛む
腸腰筋ストレッチ&トレーニング
腸腰筋が硬くなる生活をしていたり、腸腰筋の硬さで起こること思い当たる人は是非ストレッチをして柔軟性をつけていきましょう。
本来なら歩くことで腸腰筋は使っていけますが、歩く時間が少ない人や姿勢が悪い人は腸腰筋を使えるようトレーニングもしていくと良いでしょう。
腸腰筋ストレッチ①
まずは初級編のストレッチです!硬くなっている人はこのストレッチでほぐしながら緩めていきましょう。
- 仰向けになり片脚を引き寄せる。
- 伸ばしている脚を床から浮かないように膝が曲がらないように伸ばす。
- 引き寄せた脚をぐるぐる回しましょう。
- 左右交代。
腸腰筋が硬くなると股関節まわりも動かしにくくなってしまいます。それにより普段の歩幅も狭くなりがち。腸腰筋をしっかり使っていくためには股関節の動きがとても重要です。
腸腰筋ストレッチ②
初級が難なく出来た人はこのストレッチでしっかり伸ばしていきましょう!
- 脚を前後に開き前側は膝を曲げます。
- 上半身、骨盤を起こしたまま膝を前の方に押し出します。
- 押し出したまま膝をぐるぐる回します。
- 左右交代。
腸腰筋はみぞおちの奥から股関節にかけてあります。ですから上体は出来るだけ起こした方が伸びてきます。硬い人ほど上体が起こしにくくなりますが、無理のないように伸ばしていきましょう。
腸腰筋トレーニング①
腰に負担なく出来る初級編のトレーニングです。前のめりにならず太ももを大きくあげるとしっかり効いてきますよ!
- 太ももを交互に大きく上げます。
- 反対側の肘でタッチしましょう。
- 初めは20回が目標!
太もも(足)を上げる動きで腸腰筋は使われます。ツイストは加えずに腿上げでもOKです。どちらも上体はしっかり起こしたまま太ももを大きく上げましょう。
腸腰筋トレーニング②
更にしっかり鍛えたいならレッグレイズがおすすめ!ただし筋肉の力が抜ける(もしくは弱い)と腰を痛めやすいので、ゆっくり下腹部を意識しながら行いましょう。
- 仰向けになり脚をまっすぐ上にあげます。
- 骨盤の位置を維持したまま脚を下におろしていきます。(腰が反らないように!)
- 床に着くぎりぎりで止めて、また脚を上げていきます。
- 初めは10回が目標!慣れてきたら20回を2〜3セット行いましょう。
どうしても腰が痛くなる人は脚の重さを筋肉で支えきれず腰に負担がかかっている状態です。膝を曲げるか下ろす位置を浅くして負荷を下げていきましょう。
まとめ
腸腰筋はとても大事な筋肉です。腰痛や股関節痛などの不調だけでなく、美姿勢にも効果があります。
柔軟な筋肉で骨盤をしっかり支えられるように、今まで意識をしたことなかった人もこれからは「腸腰筋」少し意識をして生活をしていただけたらと思います!
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