痩せやすい身体づくりには筋肉をつけて基礎代謝を上げる!という話は聞いたとがあるかと思います。ですが、筋肉質なのに痩せない・筋トレをしても痩せないという人がいるのも事実です。
本当に筋トレで基礎代謝はあがるのか?基礎代謝をあげたらどのくらい痩せやすい身体になるのか?なかなか痩せない理由は何なのか?今回はそんな筋肉と基礎代謝の関係について書いていこうと思います。
基礎代謝とは?
人間は絶えず代謝を繰り返して生きています。体に取り入れた物質と体内にある物質を分解・合成して生きていくために活用します。体内に必要な新しい物質を作ったり臓器や体を動かすエネルギーに変換したり…その全てを代謝といいます。
基礎代謝というのは、何もしなくても起こる生命維持のための代謝のこと。人間は動かなくても心臓を動かしたり体温を維持したりしなくてはならないので基礎代謝は一日のエネルギー消費のなかで実は大きな割合を占めています。
エネルギー消費の内訳
- 基礎代謝 60〜70%
- 生活活動代謝 20〜30%
- 食事誘導性熱生産 0〜15%
基礎代謝は全体の半分以上なんですね。とても大切なエネルギー消費ということです。この中には筋肉が体温維持のために働く熱産生も含まれます。では基礎代謝の内訳も見ていきましょう。
基礎代謝の内訳
- 骨格筋 22%
- 肝臓 21%
- 脳 20%
- 心臓 9%
- 腎臓 8%
- 脂肪組織 4%
- その他 16%
3大代謝が骨格筋・肝臓・脳となっています。例えば基礎代謝が1200kcalだった場合、骨格筋264kcal・肝臓252kcal・脳240kcalものエネルギーが何もしなくても消費されます。
ランニング15分で100kcal消費しますから、それぞれ毎日ランニング30分以上のエネルギーを使っているということになります。
筋肉量と基礎代謝の関係
基礎代謝の中でエネルギー消費率が高い筋肉ですが、筋肉量がどのくらい増えるとどのくらい基礎代謝が上がるのでしょうか。
実は筋肉が1kg増えると基礎代謝が13kcal上がると言われています。1kgも増やしてそれだけ?案外少ないと思う方もいると思いますが、これは筋肉だけの話。筋肉量が増えると肝臓や心臓などその他の臓器もたくさんの血液を送れるよう大きくなるということが分かっています。
それも含め総合すると筋肉量1kgにつき約50kcal基礎代謝があがってくることが分かっています。
脂肪1kg落とすには7200kcalが必要ですから、約5ヶ月で1kg落ちる計算になります。筋肉の基礎代謝だけでです!筋肉を増やすために筋トレなどをしていれば更にエネルギー消費量はあがります。(これは活動代謝に入ります!)
逆に筋肉が落ちると太りやすくなってしまうのも頷けますよね。やはり筋肉は基礎代謝に大きく影響してきているということです。
基礎代謝をあげるには筋トレしかない?
基礎代謝の内訳をみて分かるように、骨格筋・肝臓・脳の3つが大きな割合を占めています。
基礎代謝をあげる方法は筋肉だけじゃないということが分かりますね。
以下の4点がポイントになってくると思います。
- 筋肉量の増加
- 筋肉の質の向上
- 脳の活性化
- 肝臓機能の向上
筋肉はあるのに痩せにくいという人は、筋肉の質が悪い・他の部分での代謝が悪い可能性があります。ちなみに筋トレをしているのに痩せないという人は筋トレをしているという安心感からそれ以上の摂取をしているか他の活動代謝が低い可能性もあります。
基礎代謝をあげる4つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
筋肉量の増加
筋トレの中でも代表的なスクワット。大腿四頭筋・大臀筋など大きな筋肉群を鍛えられ、ほぼ全身の筋肉を使うトレーニングなので全身の筋肉量を増やすにはスクワットは外せません。基礎代謝アップにダントツでお勧めのトレーニングです。
初心者や女性には膝も腰も痛めにくいワイドスクワットがおすすめ。大腿四頭筋ばかりに効いてしまうという悩みも多いスクワットですが、ワイドスクワットなら大臀筋や内転筋にも効かせやすく下半身全体をバランス良く使っていけます。
[ワイドスクワット]
- 広めに足を開いて背筋は伸ばしましょう。
- 背筋を伸ばしたままお尻を深く落とします。(膝がつま先より前に出ないように!)
- 上体が前に倒れないよう後ろ重心のままお尻を持ち上げます。
- 30回ほど繰り返します。
下半身だけでなく体幹や背筋など上半身も使っていくために、背筋は伸ばして背中を丸めないように行いましょう。
筋肉の質の向上
いくら筋肉がたくさんあっても、その筋肉の質が悪いと代謝効率が落ち、基礎代謝は上がりません。
「質が悪い筋肉」とは、伸縮性がなく硬い筋肉です。血行が悪く栄養を届ける力も老廃物を流す力も弱くなっています。
また、長い間使われず筋肉の間に脂肪や水分が溜まることにより筋繊維が細くなってしまっていることもあります。
筋肉の質を上げるには単純に「使ってあげること」が一番。筋肉量を増やすことも大切ですが今ある筋肉の質をあげていくことも代謝アップにはとっても大切なのです。
筋肉の質を上げるには動的ストレッチがお勧め。
大きな筋肉ほど質が悪くなった時のダメージが大きいので、硬くなりがちなハムストリングと下腿三頭筋(ふくらはぎ)の動的ストレッチを紹介します。
[ハムストリングの動的ストレッチ]
- バスタオル(伸縮性のない紐ならなんでもOK)を片足の土踏まずにかけて上に持ち上げます。
- 脚裏にストレッチかかる位置で足をぐるぐる回します。
- 10回転で交代。これを3〜5セット行います。
膝はまっすぐ伸ばさなくてもストレッチされていればOK。足の力は抜き、タオルの力だけで回しましょう。
反対のおろしている足は余裕があれば伸ばしましょう!さらにストレッチ効果がアップします。
[下腿三頭筋(ふくらはぎ)の動的ストレッチ]
- 階段や段差のあるところにかかとを外して立ちます。(バランスを崩さないように手すりや壁に手をつきましょう)
- かかとを落としふくらはぎをストレッチさせ、そこからかかとを上げていきます。
- かかとの上げ下げ10〜20回を1日3セット行いましょう。
床の上でもいいですが、高さがあった方が筋肉を十分に伸ばせます!終わった後は軽くふくらはぎを揉んで血行を促してあげましょう。
脳の活性化
脳の活性化というと計算やゲームみたいなものを思い浮かべやすいですが、実は体を動かすことがおススメ。
軽いウォーキングをすることで脳にも血液が回り活性化。また有酸素運動を継続することで海馬が大きくなり記憶機能がアップすることが分かっています。
ホルモン分泌も活性され、機能向上・アンチエイジングにも効果が!
今日は有酸素運動と一緒に取り入れると更に脳が活性化するエクササイズを紹介しますね。
[脳活性エクササイズ]
- 右手は後ろ回り、左手は前回りを5回
- 左右の動きを逆転して5回
- 慣れてきたら歩きながら大きく動かしてみましょう
- 応用として両手グーチョキパーを繰り返すと更に刺激されますよ!
肝臓機能の向上
基礎代謝には肝臓も大きな割合を占めています。食生活の改善で肝臓機能を向上させましょう。
肝臓はアルコールなどの有害な物質を分解して解毒したり、脂肪の消化や吸収を助ける胆汁を作ったり、タンパク質の合成、グリコーゲンやビタミンなどを必要な時に使えるように蓄えておいたりと毎日大忙しです。
毎日酷使して疲れてくると機能は低下してしまいます。肝臓機能の低下は、健康面だけでなく肌や髪のツヤがなくなるなど美容面でも悪影響が。
肝臓を疲れさせないためには、日々の生活でのちょっとした心がけが必要です。
[肝臓を疲れさせないポイント]
- 暴飲暴食はNG
- アルコールの多量摂取はNG
- ジャンクフードやスナック菓子など食品添加物や質の悪い油を使った食品は控える
- ストレスを溜め込まない
[疲れた肝臓を元気にする食品]
- レバー…肝臓機能の正常化に役立つビタミンB群やビタミンAが豊富に含まれている食材です。
- ごま…ごまに含まれるセサミンは肝機能を高めたり保護する働きがあります。
- 枝豆…肝臓の修復に使われる良質なタンパク質のほか、肝臓機能を高めるビタミン類が豊富に含まれている食材。飲酒の際に一緒に摂ると良いでしょう。
- しじみの味噌汁…味噌にはタンパク質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれていて、味噌だけでも肝臓の解毒効果を高める働きがあります。さらにしじみにはタウリンというアミノ酸が含まれていて幹細胞の膜を丈夫にしてくれます。
まとめ
基礎代謝があがるということは、体の機能もあがるということ。ダイエットだけでなく美容や健康のバロメーターにもなります。
筋トレをしてもなかなか痩せない、なんとなく体が重怠いという人はいま一度基礎代謝について見直してみるといいと思います。
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