内臓脂肪と皮下脂肪の違いは?男女差があるのはなぜ??

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脂肪細胞には内臓周辺につく内臓脂肪と皮膚の下につく皮下脂肪があります。

内臓脂肪は男性に付きやすく皮下脂肪は女性に付きやすい傾向があり、内臓脂肪は貯めても比較的落としやすいことから「普通預金」皮下脂肪は一旦貯めてしまうとなかなか落ちないことから「貯蓄預金」とも言われています。

今回はそんな脂肪細胞の違いについてお話ししていきます。

皮下脂肪と内臓脂肪の増え方

脂肪細胞の数は胎内・幼少期・思春期の3段階で増えていき、それ以降は増えることも減ることもない細胞と言われています。

この時期に太った経験のある方は脂肪細胞自体が増えてしまっているので太りやすい体質かもしれません。特に皮下脂肪は脂肪細胞の数がとても多くなりやすく肥大するまでに至らない小さな脂肪細胞が沢山存在している状態。一旦ため込まれてしまうとなかなか減りません。

一方、内臓脂肪は皮下脂肪に比べると脂肪細胞の数は少ないですが、その分食生活や運動不足によってひとつの脂肪細胞に中性脂肪がたくさん溜め込まれ肥大してしまいやすくなっています。

内臓脂肪は食事で摂った栄養を吸収する腸管の周辺にあるので、余ったら蓄えられ必要なら分解される常に貯蔵と分解が行われている脂肪細胞です。溜め込まれやすくもありますが分解もされやすい特徴があるので食事や運動習慣によって増やすことも減らすことも比較的難しくはありません。これが内臓脂肪が普通預金と言われている理由です。

内臓脂肪は男性が皮下脂肪は女性が付きやすい理由

一般的に内臓脂肪は男性に付きやすく、皮下脂肪は女性に付きやすいと言われていますね。それは何故でしょうか。理由は性ホルモンに関係してきています。

女性の方が体脂肪が多い理由は女性ホルモンの分泌に必要だから。その詳しくはこちらにも書いてありますので読んでみてください。

女性ホルモンに必要な脂肪は主に皮下脂肪です。皮下脂肪が少なくなりすぎると女性ホルモンのエストロゲンが減ってしまい無月経になるなど体に不調が現れます。

女性はエストロゲンを作るために皮下脂肪が付きやすくできています。男性も皮下脂肪が多くなりすぎてしまうと女性ホルモンが生成されやすくなり女性っぽい体つきになってきます。

そして男性は男性ホルモンにより女性より筋肉量が多いですよね。筋肉量が多いのでエネルギーをより必要とします。だからこそエネルギーとして活用しやすい内臓にエネルギー源である中性脂肪を蓄える傾向があるのです。

実際にため込まれるかどうかは食生活に影響しますが、男性ホルモンが多い方は内臓脂肪も多くなりやすい傾向にあるのかもしれません。

脂肪細胞の大切な働き

脂肪細胞はエネルギー源である中性脂肪を貯蔵し必要な時に遊離脂肪酸とグリセロールに分解して血液中に放出するというエネルギー貯蔵庫の役割があります。

しかし、それ以外にも大事な役割があることが分かっています。それはあらゆるホルモンの分泌。脂肪細胞はホルモンを分泌する生理活性物質アディポサイトカインでもあるのです。

脂肪から分泌されるアディポサイトカインには善玉と悪玉があります。

善玉には糖質や脂質の代謝促進し動脈硬化を抑制するアディポネクチンや食欲を抑制したり交感神経を活性しエネルギー消費を高めるレプチンがあります。(ただし、レプチンは交感神経を活性し血圧を上げてしまう働きもあります)脂肪細胞そのものが脂肪をこれ以上溜め込まないように食欲や代謝をコントロールしているのです。

悪玉にはインスリン抵抗性を起こすレジスチンやIL−6、血栓を作りやすくするPAI−1、血圧を上げるアンジオテンシノーゲンなどがあります。この悪玉によって生活習慣病が起こりやすくなってしまうのです。

サイトカインを乱れさせる内臓脂肪

では、脂肪細胞は自ら増えないようにコントロールしているはずなのに、なぜどんどん増えていくのでしょうか。それは生活習慣の乱れによりサイトカインの分泌が正常に機能しなくなってしまうから。

ストレスや生活習慣などの要因で食べすぎたり運動不足が続くと内臓へ中性脂肪が蓄積されます。

内臓脂肪はもともと脂肪細胞の数は少ないと全章でお話しましたね。内臓脂肪への蓄積が増えると脂肪細胞ひとつひとつの中性脂肪蓄積量が膨れ上がります。脂肪細胞には中性脂肪のほかに核やミトコンドリアなど細胞の働きに重要な器官が存在していますから、中性脂肪が大きく膨れ上がることで細胞の働きが阻害されてしまいます。

このような状況になると善玉ホルモンの分泌が減少し悪玉物質が増加することが分かっています。食欲抑制機能やエネルギーを高める機能が弱くなるのと同時に、悪玉ホルモンの作用が強くなり生活習慣病のリスクが高くなってしまうのです。

食生活や運動で内臓脂肪を減らしていくことで善玉ホルモンの働きも正常に戻り、自らある程度はコントロールできるようになります。自然に脂肪量を一定にキープできるようになるでしょう。

Bitly

意外と無害な皮下脂肪

内臓脂肪は健康面であらゆる悪影響があり減らしていく必要がありますが、皮下脂肪はそれほど悪さはしない脂肪です。ただし、増えすぎると関節に負担がかかったり見た目が悪くなってしまいます。

健康面ではさほど影響はありませんが、皮下脂肪が標準以上付いてしまうということは日頃の生活に問題がある場合が多く内臓脂肪も付きやすくなってきますのでバランスの良い食事と適度な運動を心がけると良いでしょう!

〈今回参考にさせていただいた記事〉

脂肪細胞から分泌される生活活性物質

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