筋トレでの「成長」というと「筋肥大」が思い浮かびますが、それだけではありません。
筋肉の成長とは筋肥大・筋力・筋持久力・筋パワーの4種類があり、それぞれトレーニング方法も効果も違ってきます。
筋肥大はその名の通り筋肉を大きくすること、筋力は筋肉神経の発達、筋持久力は筋肉の持久力、筋パワーは瞬発的に発揮する力を高めることを目的としています。
どの目的であっても神経系を向上していくことは必要不可欠な項目です。今回は神経系向上のためのトレーニングについて詳しく書いていきます。
神経系トレーニングの重要性
筋トレでの神経系の向上とは、以下のことを言います。
- 筋繊維の動員数を増やす
- 脳への電気信号速度を上げる
筋繊維の動員数とは、ある運動をしたときに力を発揮できる筋繊維の数です。筋繊維が同じ100本であっても、80本で力を発揮できる人と20本で力を発揮する人とでは筋力が全く違うのです。
また、筋肉を収縮させるには脳からの電気信号が必要です。動員数が少ない人では脳と筋肉の電気信号での連携がうまくとれていないので動かせる筋繊維が少ないのです。
筋繊維数や筋の断面積が同じでも動員数や脳への電気信号速度が違うことで筋力は全く変わってきます。より多くの筋繊維を同時に動かすことができることで、筋力も筋パワーも向上するのです。
筋トレを始めたばかりの人は筋肉が少ないというよりも動員数が少ないことで筋力を発揮できていない場合が多く、筋肉の成長の前にまず神経系を向上し動員数を上げていく必要があります。
トレーニングを始めて1~2か月の間は今ある筋肉の神経伝達が向上し、動員数が増えていくことで筋力が向上します。そこから初めて筋繊維の力(固有筋力)が向上したり筋断面積の増加(筋肥大)が起こるのです。
筋トレをしていて効果に伸び悩むときにも、神経系のトレーニングを行うことで固有筋力の向上やより多くの筋繊維を同時に活動させる力がつき、筋トレの効果をさらに高めていくことが出来ます。
筋トレは筋肉だけではなく連携している脳のトレーニングも重要です。筋肉量や筋トレ経験は関係なく神経系のトレーニングはとても重要でトレーニングの基本でもあるのです。
神経系トレーニングの方法
トレーニングは目的によって強度や反復回数、インターバルが変わります。神経系向上のためのトレーニングは以下になります。
【神経系向上トレーニング】
- 高い強度
- 少ない反復回数
- 長めのインターバル
基本的には最大筋力の85~100%を使って1~6回程度行うトレーニングを3(~5)セットほど行います。セットとセットの間のインターバルは2分~5分と長めでとります。
ただし、筋トレ初心者では初めから最大筋力を発揮するトレーニングを行うとフォームが崩れケガをする危険があるので注意しましょう。
筋トレ初心者の方は初めは筋繊維の動員数が少ない15~20RMでも十分神経系が向上していきます。無理をせず慣れてきたら負荷を上げていくことをお勧めします。
まとめ
筋トレは脳との連携作業です。どれだけたくさんの筋繊維に同時に指令が届き同時にたくさん動かせるか?という能力を向上するのが神経系トレーニング。
まだまだ眠っている筋繊維があるはず。神経系トレーニングで呼び起こしましょう。
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