産後の悩みで多いものが「体重が戻らない」「体重は戻ったけど体型が崩れた」などです。産後は育児に忙しく自分にかける時間も少なくなり、さらにストレスで過食してしまったりと体型戻しは諦めてしまう人も多いのが現状です。産後の体型の崩れは産前からの体づくりで最小限に抑えられます。もちろん、体型だけでなく妊娠中や産後の不調を軽減したり心身ともに健やかなマタニティライフのサポートにもなります。
産後はどうして体型が崩れるの?
産後の体型崩れの一番の理由は筋力の低下。
筋力の低下によって起こる姿勢崩れ・代謝低下・下腹部や下半身への血流低下などが主な原因となります。
女性は妊娠をすると出産に向けて骨と骨を繋いでいる靭帯が緩んできます。これは靭帯を緩めるホルモン「リラキシン」の影響で、出産時には大量に分泌され最大に緩みます。そして緩んだところを胎児がスクリューしながら骨盤を押し広げ産まれてきます。
靭帯が緩んだところを極限まで伸ばされるので骨盤はとても不安定な状態になります。この不安定な骨盤を安定させてくれるのが骨盤周りの筋肉です。
特にインナーユニットという体幹を固めるために必要な骨盤底筋・腹横筋・横隔膜・多裂筋の4つの筋肉は、骨盤の安定と傷ついた子宮を守るためにとても大きな役割があります。
出産で緩むのは仙腸関節と恥骨結合。骨盤底筋は寛骨と仙骨を底の方で繋げ、腹横筋は上の方で背骨や胸郭と繋げています。仙腸関節と恥骨結合へのストレスを軽減させてくれる筋肉なのです。
さらにこの4つの筋肉インナーユニットは骨盤と背骨を安定させ体の負担を最小限にしてくれたり内臓や子宮の位置を正常に保ってくれる役割があります。インナーユニットが弱くなってしまうことで内蔵や子宮が支えられなくなり下垂し血流が悪くなってしまうのです。
特に一番下に位置する子宮は内蔵に圧迫される状態になりダメージが大きくなります。※骨盤底筋の状態によっては子宮が体外へ出てしまう子宮脱になってしまう方もいます。
このようにとても大切なインナーユニットですが、妊娠中は腹筋群をうまく使えない状態になり、出産時に胎児が通る部分には骨盤底筋があります。当然今までにないほど伸ばされます。筋力が低下してしまうのは避けられないこと。もともとインナーユニットが弱い人は支える力がとても弱くなり、不安定になった骨盤が支えられなくなり恥骨痛や股関節痛を起こしたり子宮の回復が遅くなったりなどの原因となります。
インナーユニットの筋力低下は姿勢の崩れにも影響します。妊娠中や育児での赤ちゃん抱っこなどで背骨を支えきれずに反り腰なり腰痛を起こしやすくなったりもします。内蔵や子宮が下垂することで代謝も悪くなり、さらに圧迫される下腹部の血流低下や下半身へ流れる血流を阻害して下半身の浮腫みや冷えなどにも繋がります。
この理由から、産後は体重は戻ったとしても下腹だけポッコリしてへこまなかったり、下半身が太くなってしまうことが多いのです。
産前からのインナーユニット強化が大切!
妊娠出産で筋力が低下してしまうのは仕方のないこと。動ける動作も減ってしまいますし、激しい運動は出来なくなってしまいますからね。だからこそ、その前から筋力をつけておくことが産後の体型崩れ予防になるのです。
体調が良ければ妊娠中も安定期を過ぎた頃から臨月になるまでは骨盤底筋や腹筋力維持のためにマタニティヨガなど体を動かしていく事がスムーズな出産や産後の体型崩れ予防のためにもおすすめです。
インナーユニットの強化にはブレーシングやドローインが効果的。こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください!
また、生活や姿勢・普段のトレーニングで体幹や呼吸を意識をすることで自然と骨盤を支える筋力が備わります。
- 猫背や骨盤後傾はインナーユニットが使われていない証拠。普段から軽い腹圧をかける事。
- 1日1回の深呼吸&背伸びで胸郭を持ち上げ横隔膜を動かす。
- しゃがみ込みからの立ち上がり、階段昇降などは積極的に。骨盤底筋強化に。
- 腹筋は反動を使わずゆっくりと呼吸をしながら行う。腹横筋強化。
- 腹筋以外のトレーニングでも呼吸をしながら行う。インナーユニット強化へ。
インナーユニットだけを鍛えるのもいいですが、他の動きに合わせて使う練習をする事で筋肉の連動性が生まれ機能的に働いてくれるようになります。そしてそれが自然と骨盤周りの筋肉、インナーユニットの強化に繋がってくるのです。
まとめ
これから出産を考えている方は、産後の悩みを少しでも軽減できるよう、今から体の土台作りをしていけるといいですね。
もちろんこの土台は出産関係なくとても大事な部分です。普段から意識して整えておくことをお勧めします^ ^
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