肩の痛みが起こると四十肩・五十肩または肩関節周囲炎と診断され湿布を処方されてることが多いですね。
肩の痛みは腱板断裂や骨折・捻挫、または加齢による組織の石灰化や骨棘形成などでない限りは日常生活の改善で治すことが可能です。
湿布で痛みが引いても根本的な原因が解決しない限りは痛みが振り返したり再発したりと長い付き合いになることもしばしば。
今回は肩を真横に上げる(以降、肩関節外転と呼びます)動作で痛みが起こる原因についてまとめていきます。
肩関節外転の拮抗筋
肩関節外転で使う筋肉は三角筋と棘上筋です。
まずこの筋肉の使い過ぎによる拘縮が起こり痛い場合があります。
特に棘上筋は肩峰の下を通り上腕骨頭に付着しているので挟み込みが起こりやすく、これをインピンジメント症候群と呼びます。
▶︎インピンジメント症候群についてはこちら
今回お話するのは、この肩関節外転の拮抗筋である肩関節内転筋の存在です。
肩関節を外転させる時に伸ばされる筋肉で、ここが拘縮していると肩を上げづらくなったり痛みが生じる場合があります。

肩関節内転筋は
- 広背筋
- 大円筋
- 棘下筋
- 小円筋
- 大胸筋
- 上腕三頭筋長頭
- 烏口腕筋
と沢山あります。
この筋肉の拘縮が強くなればなるほど腕は外転しづらくなります。
痛みとしては、拘縮した内転筋が引っ張られることによる痛み・付着部の痛み・内転筋に外転を制限されることでかかる肩関節への痛みが考えられます。
- 背中や胸を筋力トレーニングで強化している
- 猫背で背中が丸くなっている
そんな方は内転筋が拘縮していることが多くなります。筋肉を緩めるケアをしていくと良いでしょう。
肩甲骨上方回旋筋の拮抗筋
肩関節を外転させる時は、肩甲上腕関節が外転するだけでなく肩甲骨の上方回旋が加わります。
真下0°から腕を90°(平行に)外転させる時には肩甲骨が30°上方回旋します。
肩甲骨30°+肩甲上腕関節60°の動きで90°の外転をしているのです。
この肩甲骨と肩甲上腕関節の割合は常に1:2で、真上180°外転では肩甲骨60°+肩甲上腕関節120°の動きになります。
少々むずかしい話をしましたが、かんたんに説明すると
腕を真上に上げるには肩甲骨が60°も回旋しなくてはならないのです。
この肩甲骨上方回旋を制限してしまうのは拮抗筋の肩甲骨下方回旋筋。
下方回旋筋には以下の筋肉があります。
- 大菱形筋
- 小菱形筋
- 肩甲挙筋
- 小胸筋

これらの筋肉が拘縮することで肩甲骨の上方回旋が制限されてしまい腕が上げづらくなったり肩甲上腕関節が動きを負担して痛みを感じてしまいます。
肩甲骨がスムーズに動けるようストレッチや体操でケアしていきましょう。
肩甲上腕関節の内旋筋
肩関節外転動作では水平(90°)を超えてから肩甲上腕関節は外旋しながら外転していきます。
肩関節の内旋が強いと外転時の外旋に制限がかかってしまい、関節の引っ掛かりや挟み込みによる痛み、または拘縮した筋肉に痛みを感じる場合があります。
肩内旋筋は以下の筋肉です。
- 三角筋前部
- 広背筋
- 大円筋
- 肩甲下筋
- 大胸筋
広背筋・大円筋は先ほど説明した外転制限をしてしまう筋肉でもありましたね。特に意識しなければならない筋肉ということが分かると思います。
猫背や姿勢の悪さで拘縮しやすい筋肉なのでストレッチなどで緩めて内旋筋の拘縮をとることで、自然に外旋運動ができるようになり外転がスムーズになることもあります。
鎖骨に付着する筋肉
肩関節外転動作で見落とされがちなのが鎖骨の動きです。
鎖骨は胸骨と肩甲骨を繋ぐ骨であり、体幹と腕を繋ぐ重要な骨です。
肩関節外転で肩甲骨が上方回旋する時に鎖骨も一緒に動きます。このときに鎖骨は後方へ回転しながら挙上されるのです。
鎖骨の動きは自分で判断しにくいかと思いますが、どちらか上げづらい腕がある場合、鎖骨を触りながら腕を外転させてみて左右の動き方に違いがないか確認してみても良いでしょう。
鎖骨の動きに関係してくる筋肉は、
- 大胸筋
- 胸鎖乳突筋
- 三角筋前部
- 僧帽筋
- 鎖骨下筋
そのなかでも大胸筋や三角筋前部の拘縮は鎖骨の挙上も後方回転も制限してしまう可能性があります。

可能性としては低いですが、ここも重要な部位になってきます。
まずはストレッチポールを!
肩外転時に痛みがある時にはストレッチや肩甲骨はがし体操も痛い場合があります。そんな時にはストレッチポールがおすすめ。
背中の丸まり(猫背)が改善され肩甲骨周りをゆるめることができます。肩の痛みが軽減してきたら肩甲骨はがしなどの動きも加えていけます。
姿勢が悪い方・肩甲骨まわりや背中が張っている方、腕の動きが悪い方・猫背の方は是非取り入れてみてください。
【ストレッチポールの使い方1】

・ストレッチポールの上にあおむけに寝てゆらゆら揺れます。
【ストレッチポールの使い方2】

・腕を上に上げて前ならえのような感じで肘を下におろします。
【ストレッチポールの使い方3】

・両手を床につき、手が床から離れないように左右同時に円を描きます。(手のひらを下に向けると更に効果的!)
はじめはあおむけになってゆらゆら揺れているだけでもOK!徐々に背中が緩み、胸も開いてきます。丸まった肩も開いてきます。

まずは無理のないように徐々に緩めていきましょう!
まとめ
肩外転時の痛みといっても原因はさまざま。そして一つではなく複合的であることが多いので、まずは生活習慣の見直しと姿勢改善からはじめてみましょう。
そして痛みが強かったり長引くようなら一度整形外科でレントゲンをお勧めします。




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