スポーツをしている人にもしていない人にも発症頻度が高い捻挫が足首の内反捻挫です。一度捻挫してしまうと靭帯が伸びてしまい何度も繰り返してしまう方も多いのではないでしょうか。
繰り返せば繰り返すほど靭帯は緩くなり更に繰り返しやすくなってしまうという負のループに陥ります。もうこれ以上繰り返さないためには足首の安定を強化することが必要不可欠です。
内反捻挫とは?
内反捻挫とは、足の裏が内側に向く方向へ足首を可動域以上に捻ってしまうことで外側の靭帯が損傷するケガのことです。
反対方向に捻る外反捻挫もありますが、足首の構造上、内反捻挫の方が圧倒的に多くなります。
足首の外側には前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯とあり、内反捻挫で多いのは前距腓靭帯・踵腓靭帯の損傷です。
内反捻挫はなぜ繰り返す?
もともと足首の捻挫で内反捻挫が多い理由は内反方向へ捻れやすい構造だから。外顆より内顆の方が高い位置にあることや、内顆下の空洞が大きいことで内反側に倒れやすい構造であったり、内側と外側の靭帯の強度などが挙げられます。
その他、構造的な点についてはこちらに詳しく書いてありますので読んでみてください。
さて、なぜ繰り返してしまうか?というと、もともと内反方向に捻れやすい構造なのにそれを防ぐものの強度が弱くなる事で更に捻れやすくなっているからです。
靭帯は筋肉や腱とは違い伸縮性がない硬い組織です。骨と骨がずれないように繋いで安定させています。とても強靭な組織ですが、いったん損傷したり伸びてしまうと元の強靭さを失ってしまいます。
骨同士の繋がりが弱く不安定なものになってしまうんですね。
仮に腫れや痛みを伴う内反捻挫の経験がなくても、歩いていて内反方向にグキッと少し捻ってしまうことはないですか?大きな損傷はなくても、そんな軽度の捻挫を繰り返すことでも徐々に靭帯は伸ばされます。
足首の外側靭帯は実は緩くなっている方がとても多いんですよ。日常的に癖で足首を内反させている光景は男女問わずよく見かけます。その癖も伸ばす行為になるので注意しましょう。
内反捻挫をもう繰り返さない!
内反捻挫を繰り返さないために以下の3つが大切なポイントになります。
- 外側靭帯を強化する
- 外側靭帯を守る筋肉を強化する
- 重心の安定化
靭帯はいったん伸びたら(損傷したら)元に戻らない組織と言われてきました。ですが、最近では僅かではありますが筋力トレーニングで強化できることが分かってきました。周辺の筋肉を強化する事でそれに見合うよう靭帯も強くなっていきます。逆に筋肉を使わなければ靭帯も弱くなってしまうのです。骨折などで長期間固定された状態でいると筋肉だけでなく靭帯も弱化しますが、ギプスを外し筋力が回復すると靭帯も元の強度に戻ります。筋肉ほどの変化はないものの靭帯を構成しているコラーゲンの密度が変化することが分かっています。
そして筋肉は靭帯に過剰なストレスがかからないように守る役割もあり、そのためにも筋力トレーニングは必須。下腿の筋肉を使い足首の安定性を高めていくことで、靭帯も同時に強化できるのです。
内反捻挫の癖がついた足首は内反方向へ倒れやすくなっているので、足首を外反させる作用の筋肉の強化と同時に不意な動きや地面の凹凸に対応して重心を常にまっすぐ保っていられるような体幹・バランス感覚をつけていきましょう。
カーフレイズ
足首を外反させる長腓骨筋と短腓骨筋のトレーニング。腓骨筋は足関節の底屈作用もあるので、つま先立ちになることで使われます。
イラストのように踵を上げ下げしましょう。ポイントは常に親指重心で行うこと。親指の方に重心を置きながら上げ下げすることで外反要素が加わり腓骨筋が強化されます。
チューブトレーニング
両足先にチューブをかけ、足先を開くトレーニング。これも腓骨筋のトレーニングです。
足先にチューブをかけ、外反させるように足先を開き戻します。15〜20回繰り返しましょう。チューブは何でもOK。太めのゴム、または長いトレーニング用のゴムバンドなどを結んだり引っ掛けて行いましょう。
《用途はたくさん!強度が変えられるトレーニングチューブ》
タオルギャザー
足首周りの筋肉は足裏へと繋がります。足裏の筋肉を強化しアーチの維持と足首の安定を目指します。
足指を使ってタオルを引き寄せます。足指を握る力は足裏アーチの土台です。この力が弱くなるとアーチが潰れたり足首周りの故障に繋がります。
《足裏トレーニングこれもオススメ!》
バランスディスクスクワット
不意な動きに対して対応できる力を身につけるためにはバランスディスクが有効。反射的に重心や姿勢を調整し体勢を安定させる神経伝達が強化されます。
バランスディスクの上に立ち、スクワットを行います。出来るだけフラットな状態をキープしながら行えるよう意識しましょう。
《体幹・足首の安定に!バランスディスク》
まとめ
内反捻挫は繰り返さないことが大事。一度捻挫してしまったとしても軽いものなら足首の安定強化をすることで次第にもとの強度に近い状態へ戻ります。捻挫した後は緩くなって不安定な状態なので特に気を付けましょう。無理せずトレーニングで安定化を目指し日々のパフォーマンスをアップしていきましょう。
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