ぎっくり腰は、炎症が治まれば終わりではありません。
実は多くの方が「腹圧がうまく使えていない」状態で日常生活を送っています。
コルセットは一時的なサポート。本来、腰を守っているのは“自分の体幹”です。
腹圧とは何か?
腹圧とは、お腹の内側からかかる圧力のこと。
この圧力は
- 腹横筋
- 多裂筋
- 横隔膜
- 骨盤底筋
が同時に働くことで生まれます。この4つは「インナーユニット」と呼ばれ、天然のコルセットのような役割をしています。

腹圧が低いと、
- 腰椎が不安定になる
- 分節的なグラつきが出る
- 筋肉が過剰に頑張る
- 疲労が蓄積する
結果として、ぎっくり腰を繰り返しやすくなります。
正しい腹圧のかけ方(基本)
ポイントは「強く固める」ではなく「軽く支える」です。
① 姿勢を整える
- 骨盤を立てる
- 背筋を伸ばす(反らさない)
- 肋骨を軽く下げる
反り腰のままでは腹圧は入りません。
② 息をゆっくり吐く
- 口からゆっくり息を吐きます。
- 吐くと自然に下腹部が少し締まります。
この「うっすら締まる」感覚が腹横筋の収縮です。
③ その状態を2〜3割キープ
力は入れすぎません。お腹をベコッとへこませるのではなく、“内側に軽く張る”感覚。

これが日常生活で使う腹圧です。慣れてきたら、この状態をキープしながら歩いたり家事をしたり日常の動作をする練習をしてみましょう。
NGな腹圧
- お腹を強くへこませる
- 息を止めて固める
- 胸を張りすぎる
- 腰を反らせる
この使い方ですと表面の筋肉ばかり使ってしまい、腰や背中の筋肉疲労が起こります。
日常的に使っていくものなので、内側から軽く支える。これが原則です。
特に腰に負担がかかる時は「息を軽く吐いて腹圧を軽くかける」これをすることで、ぎっくり腰予防にもなります。
【腹圧を意識して欲しい動作】
- 立ち上がる時
- 物を持つ前
- 洗顔で前かがみになる前
- 長時間立つ時
これだけで腰への負担は変わります。
ヒップヒンジと腹圧
腹圧は「動き」とセットです。特に腰に負担のかかる動作は前屈。
正しい前屈は
- 股関節から折れる
- 腰を丸めない
- 腹圧を軽く保つ
これをヒップヒンジと呼びます。

腰から曲げるクセがあると、どれだけ腹圧を入れても負担がかかります。
このヒップヒンジを普段から使えるようにすることで、さらに腰を上手に使っていくことができます。
ヒップヒンジ練習
① 壁の前に立つ
壁から20cmほど離れて立ちます。
足は腰幅。
② 軽く腹圧を入れる
息をふっと吐き、
下腹がうっすら張る状態を作ります。
③ お尻を後ろに引く
膝を少しだけ緩め、
「お辞儀」ではなく「お尻を後ろに引く」意識。
背中は丸めません。
④ お尻が壁に触れるまで引く
腰ではなく股関節が折れている感覚があれば成功です。
10回繰り返します。

【ポイント】
- 腰を丸めない
- 反りすぎない
- 目線は斜め前
- お腹の軽い張りを保つ
最初は浅くてOKです。
このヒップヒンジは物を持ち上げる時に応用できます。
- 物に近づく
- 軽く吐く(腹圧)
- 股関節から折れる
- 太ももとお尻で持ち上げる
これが正しい持ち上げ方です。ヒップヒンジができない原因は
- 股関節が硬い
- 殿筋が弱い
- 腹圧が抜けている
- 胸郭が固い
このどれかがあると、腰で代償してしまいます。
浅めの動きから練習を始め、徐々に日常でも使えるようにしていきましょう。
コルセットと腹圧
コルセットは外から支える補助具。
腹圧は内側から支える本来の安定機構。
どちらも腰を守るものですが、永遠にコルセットをし続けるわけにはいきません。
炎症が起きて痛みのある急性期はコルセットを使っても構いませんが、最終目標は「自分の腹圧で支えられる状態」です。
自分自身が持つ自然のコルセットを使えるように、腹圧は使えるようにしていきましょう!
まとめ
ぎっくり腰を繰り返さないためには、
- 炎症を治す
- 可動域を整える
- そして腹圧で支える
ここまでが本当の回復です。
コルセットを外したあとも自分の体で支えられる状態を目指しましょう。


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