一見姿勢が良く見える不良姿勢!平背(フラットバック)は要注意

不調改善&メンテナンス

平背はへいはいと読み不良姿勢の一つです。フラットバックとも呼ばれています。本来あるはずの背骨の生理的湾曲S字カーブが失われ真っ直ぐになっている状態です。

背中が丸くなっている猫背とは違い、一見姿勢が良さそうに見えるので本人も周りも気付かずに放置して不調に悩まされるケースも多い姿勢です。

姿勢は良いはずなのに背中、肩、首などが凝っているという方はもしかしたら平背かもしれません。

平背(フラットバック)とは?

平背とは本来あるはずの背骨の生理的湾曲が失われて背中が平坦になっている姿勢です。

背骨は通常ゆるやかなS字の湾曲があり、日常の動作でかかる筋肉や関節へのストレスを分散させています。バネのようにしなやかに動くことで衝撃や負荷がある一点にだけかかることを防ぎ、筋肉や関節を守っているのです。

真っすぐなハリガネよりバネの方がどの動きや衝撃にも強いですよね。背骨は体の中心でバネのような役割を持ち、多様な動作を最小限のストレスで行えるように働いてくれているのです。

生理的湾曲が失われた平背は背骨のしなやかさも失われている事が多く、特に胸椎含む胸郭全体の動きが制限されてしまいがちです。

胸椎は肋骨・胸骨と連結し胸郭というカゴ状の骨格を形成しています。ですので胸椎の動きが悪いと、胸郭全体の動きも悪くなってしまいます。

平背は普段きれいな姿勢を意識している人や姿勢良くいなければならない仕事、背筋を伸ばすバレエなどのスポーツをしている人に多い傾向があります。一見キレイですが弊害があり、放置は要注意な姿勢なのです。

平背(フラットバック)での弊害

平背姿勢ではどのような弊害が起こるのか?特徴と一緒に見ていきましょう。

湾曲がなく平坦でストレスが分散できない

歩行による地面からの衝撃は臀筋で受け止め、上半身へ伝わります。その衝撃を背骨で分散できないと腰がすべて受け止めてしまい腰痛を引き起こす原因となります。

また、腕を含めた上半身の動作では連動して動くはずの胸郭の動きが制限されるため、首や肩が無理に動かされる感じとなりストレスが集中します。日常動作やスポーツでのパフォーマンスも下がり怪我のリスクも高まります。

このようにストレスが分散されないことは全身の不調、怪我リスクにつながるのです。

背骨のしなやかさが失われる

平背は背中を丸めること(屈曲)や反ること(伸展)が苦手です。通常、胸椎は屈曲方向に30〜40°伸展方向に 20〜25°動きます。ですがこの動きが少なくなると体を丸めたり反らせたりする時に頸椎や腰椎を使って動かそうとしてしまいます。胸椎の可動分を他の箇所で補おうとするため関節へストレスがかかってしまいます。椎間板ヘルニアなどのリスクも高まります。

胸郭の動きも制限される

胸郭の動きは呼吸と深く関係しています。そのため呼吸が浅くなり自律神経の崩れにも影響を与えます。更に呼吸筋だけでなく周辺の筋肉の動きも悪くなるので胸郭の上を滑らなければならない肩甲骨の動きも悪くなります。それにより肩こりなど肩周りの不調が起こりやすくなるのです。

理想的な背骨とは緩やかなカーブを描き、しなやかに動くこと。胸椎の柔軟性は上半身の機能の要とも言えるのです。

胸椎柔軟性テスト

平背姿勢は胸椎を屈曲させて背中を丸める動きと胸椎も連動させながら背中を反らせる動きが苦手です。

次に紹介する体操で胸椎の柔軟性テストをしてみましょう。

胸椎の屈曲テスト

  1. しゃがんだ状態で足を両手で押さえます。
  2. 出来るだけ背中を丸くして後ろへゴロンと転がりまた元の状態に戻ります。

元の状態に戻ってこれたらOK!

平背姿勢の人は背中を丸めることが出来ず平坦になっているので、後ろに転がったときにペタンと床に付いてしまい戻って来れません。

出来るだけ体を丸くしてゴロンゴロンと毎日転がる練習をしましょう。背中の柔軟性をつける他に腹筋トレーニングにもなります。丸くなれないと腹筋もうまく使えず腹筋力も弱くなってしまいます。平背姿勢の他に反り腰さんにも効果的な体操です!

胸椎伸展テスト

  1. 壁に向かって手を上に上げて立ちます。
  2. 掌と膝とつま先を壁に付け、胸が出来るだけ壁から離れないようにお尻を下げていきます。

ある程度下げられればOK!

猫背の方や伸展が苦手な平背姿勢の方はこの体勢をとるだけでキツイはず。体勢に無理のない人はこの体操で少しずつお尻を下げられるように練習しましょう。

この二つが難しい方は他にも胸椎を柔らかくするストレッチを紹介しますので自分に合ったストレッチで少しずつ動かしていきましょう。

胸椎ストレッチ

屈曲伸展どちらも苦手、背中がガチガチ!という方はまずは猫のストレッチから。背骨を少しずつ動かし柔軟性をつけていきましょう。

のストレッチ

  1. 四つん這いになり、息を吸いながらお臍を出来るだけ床に近づけます。
  2. そのあと、息を吐きながら背中を天井に近づけるように丸くなります。
  3. 5〜10回繰り返す。

回数より毎日行うことが重要です。是非背中の柔軟性をつけて辛い凝りを和らげましょう!

次は胸椎を屈曲させるストレッチです。丸くなるのが苦手!という方はこのストレッチがおすすめです。

胸椎屈曲ストレッチ

  1. 腕を前に組み伸ばします。
  2. 背中を丸くして出来るだけ前に腕を伸ばしましょう。
  3. その状態から腕を揺らし更に背中をストレッチさせます。

腰を曲げて上体を倒すのではなく背中を丸めるということを意識しましょう。

そして胸椎伸展テストはちょっとキツかった!という方はまずは床の上で反らせる練習をしましょう。

胸椎伸展ストレッチ

  1. イラストのように膝を曲げて腕を前に伸ばします。
  2. お尻を天井に突き上げ、腕を前へ。脇の下を床に近づけていきます。

背中の上部を反らせるイメージで脇の下を床に近づけることがポイントとなります。無理せず少しずつ柔軟性をつけていきましょう!

まとめ

胸椎ストレッチは胸椎の柔軟性をつけるだけでなく、背中のストレッチにもなりコリ解消にもなります。胸椎の硬さは腰痛や肩こり首こりなどの原因にもなります。重怠い時などにもおススメです。

姿勢が良く見えるからと放置せず、不調のない体を目指していきましょう!

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