ひと言に「筋トレ」と言ってもその動かし方で効果は全く異なります。筋肉の収縮は大きく4種類。
関節を動かさず収縮させる等尺性収縮(アイソメトリック)
筋肉を短縮させることで力を発揮する短縮性収縮(コンセントリック)
筋肉を伸張させながら力を発揮する伸張性収縮(エキセントリック)
同じ速さで筋肉を動かす等速性収縮(アイソキネティック)
この中でも筋力トレーニングで多く用いられているのが短縮性収縮と伸張性収縮です。この2つを組み合わせて行うメニューが多くありますが、似ているようで異なる特性を持っています。
今回はこの2つのトレーニング特性と効果的にトレーニングを行うポイントをまとめました。
短縮性収縮(コンセントリック)
短縮性収縮筋肉を短縮させる時に力を発揮するトレーニングです。アームカールのようにダンベルを上げ下げするトレーニングでは肘を曲げてダンベルを持ち上げる動作のことを言います。
このトレーニングは車でいったらアクセルの筋肉。
運動速度が遅くなるほど動員される筋繊維が増えて発揮筋力が大きくなります。
重いものを持ち上げる時には速い動きよりも遅い動きの方がより重いものを持ち上げられますよね。
速いほど発揮筋力は低下し、遅いほど発揮筋力は増加します。このため、初めに発動する筋繊維は遅筋になります。
短縮性収縮のトレーニングでは速度をあげて行うことでアクセルのパワーが強くなり一度に動員できる筋繊維が増えてきます。
伸張性収縮(エキセントリック)
筋肉を伸張させる時に力を発揮するトレーニングです。アームカールでは肘を伸ばしながらダンベルを下ろす動作のことを言います。
このトレーニングは車でいったらブレーキの筋肉。重力や負荷に抵抗してブレーキをかけながら伸ばしていくのです。
この筋肉は運動速度が速くなるほど発揮筋力は大きくなります。ブレーキをかける時はゆっくりより瞬発的にかけた方が一気に大きな力が出ますよね。
ブレーキの筋肉は危険から身を守るために瞬発的に発揮される力なので最大筋力が短縮性収縮や等尺性収縮の筋力よりも大きくなります。
速いほど発揮筋力は増加して、遅いほど発揮筋力は低下します。短縮性収縮とは逆ですね。
このため、初めに発動する筋肉は瞬発力のある速筋で筋肥大にはこのブレーキの筋肉が重要となります。重力や負荷に逆らいながらゆっくりトレーニングをすることでブレーキの筋肉は強化されます。すばやく動かしてしまうと重力の力を借りることになるからです。
また、伸長性収縮では結合組織が損傷しやすいので筋肉痛になりやすいトレーニングと言われています。
各種トレーニングでの取り入れ方法
短縮性収縮はゆっくりな方がパワーが出せますが速く収縮させることでより強化でき、伸長性収縮では瞬発的な方がパワーが出ますがゆっくり伸ばすことでより効果を得られます。
それぞれの筋肉の動きで弱い部分を強化することでより大きく成長できるということですね!
これらを代表的なトレーニングに当てはめて行ってみましょう。
- アームカール・・・ダンベルを上げるときに速く下ろすときにゆっくり。
- プッシュアップ・・・肘を曲げるときゆっくり伸ばすときに速く
- ベンチプレス・・・バーベルを持ち上げるときに速く下ろすときにゆっくり
- フレンチプレス・・・肘を曲げるときにゆっくり伸ばすときに速く
- レッグレイズ・・・脚を下ろすときにゆっくり上げるときに速く
- スクワット・・・腰を落とすときにゆっくり持ち上げるときに速く
- デッドリフト・・・バーベルを持ち上げるときに早く下ろすときにゆっくり
このように、より効果を得るトレーニングをしていくには「どこが収縮しているのか?」「どこの筋肉に効かせたいのか?」を理解して意識することが大切です。
トレーニングのメニューは沢山あります。みなさんもそれぞれ筋肉の動きを意識して行ってみましょう!
まとめ
筋力トレーニングはやり方や意識しだいで全く効果が違ってきます。
フォームも当然のことながら大切ですが、それぞれの特徴を知ったうえでトレーニングを行うとより効果アップが狙えます。そう考えるとトレーニングというのはとても奥が深いものだと感じますよね。
次回はトレーニングによる神経系・筋肉系へのそれぞれの効果について書いていきたいと思います!
コメント