股関節の前側が詰まる感じがする?股関節周辺の違和感の原因とは

不調改善&メンテナンス

足を胸の方に引き寄せた時に股関節の前側に詰まるような痛いような感じはしませんか?

しゃがんだ時や階段をのぼるときに股関節に違和感を感じる方は少なくないはず。

その股関節周辺に感じる違和感の原因についてみていきましょう。

股関節を引き寄せてみよう

仰向けで寝た状態で片足を自分の胸の方へ引き寄せてみましょう。鼠径部あたりに詰まり感や痛みはありませんか?

股関節の硬さがある方はこの動きで詰まり感を感じる方がとても多いんです。まず股関節のしくみから簡単に説明しますね。

股関節は骨盤のソケットに大腿骨の骨頭がすっぽりはまって動く球関節です。

股関節の周りは強靭な靭帯に囲まれていて、ちょっとやそっとじゃ外れないように出来ています。

さらに股関節は色んな方向へ動かせる可動域の大きい関節なので周りには大小さまざまな筋肉が取り囲みソケットに引きつけながら協力をし合うようにバランスをとっています。(肩関節も同じでしたね)

股関節はざっくり言うとこんな感じです。

では今度は股関節を屈曲した時にどうなるのか?見てみましょう。

まずは筋肉。

股関節を屈曲すると股関節の前側の筋肉が縮み股関節の後ろ側の筋肉が伸ばされます。自分で股関節を引き寄せる時には前側の筋肉は力が入って縮み、手で引き寄せた時には緩んだまま縮みます。

そして次に関節の動き。

大腿骨頭がソケットの中を後ろへ滑るようにして動きます。さらにその動きに伴い寛骨(骨盤)も後傾します。

股関節の前側で感じるつまり感や痛みはこの動きがスムーズにいかず筋肉の詰まりや挟み込み、関節の衝突が起きている可能性があります。

それを含めて主に考えられる原因は、

  • 腸腰筋の伸縮性低下(硬さや緩さ)
  • 大腿直筋や縫工筋の拘縮
  • 大腿骨頭の後ろ滑り制限
  • 骨盤の過剰前傾

このようなことが挙げられます。では、それぞれ詳しくみていきましょう。

腸腰筋の伸縮性低下(硬さや緩さ)

腸腰筋は股関節の屈曲筋で、背骨の内側からきている大腰筋と腸骨の内側からきている腸骨筋の総称です。この2つの筋肉が重なり合い鼠径靭帯の下を通り大腿骨についています。

腸腰筋の伸縮性がなくなると股関節の屈曲に合わせて柔軟に短縮することが出来ずに股関節の前側のつまり感や痛さを感じます。

腸腰筋が硬い場合、屈曲時に上を通っている鼠径靭帯に圧迫されることが考えられます。逆に緩んでいる場合には屈曲時に緩んだ筋肉が関節に挟み込まれるということが考えられるでしょう。

大腿直筋や縫工筋の拘縮

大腿直筋も縫工筋も太ももの前側にあり、どちらも腸骨の前の出っ張りに付着しています。(縫工筋が上前腸骨棘、大腿直筋が下前腸骨棘)

筋肉が拘縮すると周辺の組織全体が硬くなり動きが制限されてしまいます。

股関節を深く曲げようとしたときに、この硬くなった組織がひきつれて付着している腸骨棘あたりにつまり感や痛みが生じてしまうこともあります。

特に縫工筋は股関節の外転・外旋・屈曲の作用があり、股関節の外旋が強い方はまっすぐに膝を引き寄せた時に内旋の力が加わるので縫工筋にストレスがかかり鼠径部付近の筋がピンと張り痛みが生じます。

大腿骨頭の後方滑り制限

股関節を屈曲する時に大腿骨頭は後方へ回転するように滑ります。この動きに制限がかかると股関節の前側につまり感を感じることがあります。

後方滑りに制限がかかってしまう原因としては、股関節の後ろにある深層外旋六筋の拘縮や腸腰筋の弱さがあります。

深層外旋六筋は股関節の後ろ側を支えるように張り巡らされている小さな筋肉です。股関節の外旋に働きます。そして前側には腸腰筋が前方に滑らないように支えています。

後ろ側の深層外旋六筋が強く、前側の腸腰筋が弱くなっていると大腿骨頭が前へズレやすくなります。腹筋力が弱く骨で支持するような姿勢を続けていると強靭な靭帯も常に伸ばされていますので更に大腿骨頭の位置が前方へ移動しやすくなってしまうんですね。

その状態で股関節を屈曲すると、屈曲制限がかかったり股関節の前方で関節唇への衝突がおこります。

スムーズな関節の動きには周辺の筋肉バランスがとても重要なんです。

骨盤の過剰前傾

最後に、股関節の屈曲と共に動く寛骨の動きです。寛骨が後傾するということは、仙腸関節や腰仙関節そして腰椎なども連動して動いてきます。ですので骨盤の前傾が強く、更に仙腸関節や腰椎の動きが硬い場合は股関節の屈曲制限がかかってくる感じになります。

なんとなく骨盤の前側がつまるような硬いような感じがする場合はここら辺が原因となっている可能性もあるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。股関節を引き寄せた時につまり感や痛みを感じる時、これらのことが起きている可能性があります。

日頃から股関節周りの柔軟性やバランスを整えるためにストレッチやトレーニングを行うことをおすすめします。

次回は股関節周りの柔軟性やバランスを整えるためのストレッチやトレーニングについても紹介していきたいと思います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました